情報システムを導入する際に、経営者や上司から「費用対効果はどうなのか?」と聞かれることはありませんか。
システム業者から見積を取得し、システムを導入するのにかかる費用が判明しても、それが企業にとって投資するほどの価値を持つのかは、パッとは測りづらいものです。かといって、感覚だけで投資するわけにもいきません。
このコラムでは、情報システムの費用対効果をどう考えるのか、そのアプローチをご説明します。
基本的な考え方は、情報システムを導入することで「どの程度、利益が上がるのか」が出発点になります。これを、「売上が上がる場合」と「コストが下がる場合」に分けて考えてみましょう。
売上が上がるケース
例えば、システムを導入することでWebサイトの利便性が向上して、顧客が〇〇人ぐらい増えて、単価〇〇円なので売上は〇〇円増加する、というケースがあったとします。
この場合は、増える顧客の人数が推測できれば、どの程度売上が上がるかを計算することができます。
コストが下がるケース
例えば、システムを導入することで現場作業の生産性が向上し、〇〇円分人件費を削減することができる、というケースがあったとします。
この場合、情報システム導入によって減少した業務量に、人件費単価を掛けることで、削減できるコストが計算できます。
また、現在情報システムにかかっている(過去かかった)コストと比較して、減少しているかどうかを検証するアプローチもあります。
もちろん、全てがこんな単純に計算できることばかりではないと思います。しかし一方で、ある程度根拠のある数字を算出しようと思ったら、今かかっている業務の実際の時間を計測したり、算出された数字が本当に達成されるのかという実現可能性を見極める必要があります。
(情報システムを導入すれば業務量が減るはずだったのに、減った分は別作業で埋められてしまい、人件費が減らない、というようなケースはよくあります)。
情報システムは、大きな投資になるケースがあります。社内で適切な判断を行うためにも、このような費用対効果の算出は重要になります。
また、最近はクラウドサービスやOSSも領域によっては充実していますので、それらを活用して小規模に始めて、期待した通りの効果が得られるかを確認してから、段階的に投資額を増やしていくアプローチも有効です。
システム導入の費用対効果を見極めることは、システム導入を成功に導く上でも重要な作業になります。社内で目的を持って導入を進められるよう、取り組んでください。
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